2018年07月03日

FP1級通信添削.20の解答解説:REITに関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

今後しばらくは、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。

今回も、皆様から解答をいただきました。
解答を呼びかけましたら、今週は3名の方から回答をいただきました!
どうもありがとうございます。

先週いただいた解答は1名でしたので、先週比+200%(+2名)です!!
投資のリターンでも、これくらいほしいものです(笑)

皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。
今回は2つの問題を出題しましたが、1つ目の問題は全員同じ回答でしたので、その中からお一人を代表してご紹介します。


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 2018年5月実施 FP技能士3級 実技(FP協会) 問6を改題
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下記資料のREITについて。

<資料>
KX不動産投資法人
 REIT価格:203,000円
 1口当たり純資産:236,000円
 1口当たり分配金(年間予想):8,000円


(問1)
KX不動産投資法人の分配金の予想利回りはいくらか、計算しなさい。


■お送りいただいた解答
KX不動産投資法人の分配金の予想利回りについて
不動産投資の分配金は株式でいう配当金のことですので、
利回り(%)=1株当たり配当(分配)金/株価×100ですので、
KXの分配金利回り=8,000円/203,000円×100≒3.94%
となります。
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解答ありがとうございます。答えは3.94%で正解です。
REITの分配金予想利回りを求める場合は、1口当たり純資産ではなく、REIT価格のほうで計算をします。
REIT価格は、投資家が実際にお金を投じるときの価格(株で言うところの株価)なので、こちらの方を使用して計算するのです。

では次に、2つ目の問題です。
お一人目の解答をまずはご紹介します。


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(問2)
1口当たり純資産と、REIT価格のそれぞれについて、簡単に説明してください。
(投資に興味を持つ人が、この2つは何がどう違うの?と疑問に思うことが
 あります。その人に説明するつもりで、答えを書いてみてください)


■お送りいただいた解答
・1口当たり純資産
決算短信でよく見る簿価ベースでの純資産(簿価ベースの資産から負債を引いたもの)を簿価純資産と呼ばれます。それを発行済投資口数(株式でいう「株数」)で割ったものを言います。
※ 1口当たり純資産=(簿価ベースの資産―負債)/発行済投資口数

・REIT価格
REIT価格は投資口価格と呼ばれ、株式でいう株価のことを言います。


ちなみに市場で取引されている投資口価格=REIT価格(株式でいう「株価」)に発行済投資口数 (株式でいう「株数」) を乗じた価格を時価総額と言い、
価値を評価する際の指標になります。 時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味します。
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解答ありがとうございます。
1口当たり純資産と、REIT価格の両方の説明をしていただきました。
この説明は正しいものですが、両者の違いが何なのか、という観点での説明を
もう一言追加すればベターですね。

というのも、そもそも1口当たりの純資産の額=REIT価格、として投資信託は
スタートしますよね。
REITはインデックス連動型ETFと同じく、資産の裏付けがあり
その資産を小口化して投資家に投資してもらうものですからね。
そのように、投資初心者向けには説明もされています。

その両者が、どうして異なる金額となってしまうのでしょうか・・・
という点について触れられると、すばらしいです。

でもヒントになることを書いていただいています。
それは解答中にある「将来の成長に対する期待」という概念です。
1口当たり純資産には、将来の成長に対する期待は加味されていません。
一方で、REIT価格には、この期待が加味されていますよね。


では、次の方の解答を見てみましょう。


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1口当たり純資産とは、保有する不動産などの総資産から負債を引いたものを
純資産額といいます。それをさらに投資口の発行口数で割ったものが一口
当り純資産額です。
一口当り純資産額は投資家が保有する投資口一口が持つ資産価値を表しています。
一口当たり純資産額と実際の投資口の時価とを比較することで、投資口の
価格が割安であるのか、割高であるのかを分析することができます。
株式投資の評価指標であるPBRをREITでも同じように使うことができます。

PBR(倍)=REIT価格÷1口当たり純資産

203,000円÷236,000円=0.86倍


REITとは、通常個人では不可能な大型不動産への投資を細分化した証券にして、
個人でも小口で不動産投資ができるようにしたものです(不動産投資信託)。

不動産価格が上昇するとREITが保有する不動産の価格上昇を通じて、
REITの価値を高めることになり、REIT価格は上昇する傾向があります。
逆に不動産価格が下落するとREIT価格は下落する傾向があります。

賃料相場が上昇するとREITが保有する不動産からの賃料収入増加を通じて、
REITの価値を高めることになり、REIT価格は上昇する傾向があります。
逆に不動産の賃料相場が下落するとREIT価格は下落する傾向があります。
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解答ありがとうございます。
こちらの解答も、それぞれについてご説明いただいている点はバッチリです。
ですがやはり、両者の違いにあたる点についてもう一言いただけると
すばらしいです。

REIT価格と1口当たり純資産とを、PBRの概念を使って説明できているところは
とても重要なポイントですね。

ちなみに、不動産価格が上昇すると(賃料相場が上昇しても不動産価格の上昇につながります)、REIT価格だけでなく1口当たり純資産も増加しますよね。
だとすれば、ますますこの両者の違いは何だろう?と考えるほどに疑問に思うかもしれませんね。
そういう疑問を説明できるくらいのスキルが、1級試験であると望ましいです。

それでは最後の方の解答をご紹介します。


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保有する不動産などの総資産から負債を引いたものが純資産額です。
純資産額を、投資口の発行口数で割ったものが1口当たり純資産額です。

REIT価格は、株式と同じように、投資家の需要と供給により変動します。
より多くの投資家が購入すれば、価格は上昇します。その一方で、より多くの投資家が売ろうとすれば、価格は下落します。
不動産市況、不動産賃貸市場の動向、金利や経済見通し、運用成績に対する期待など、様々な要因の影響を受けます。

1口当たり純資産額とREIT価格を比較することで、投資する価格が割安であるのか、割高であるのかを考える上でひとつの参考資料となります。
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解答ありがとうございます。
需要と供給という言葉が出ましたが、これを「REITの持つ本来的な資産価値と関係なく」という説明が入っていると、より本質的な説明になりますね。

例えば、資産価値が下落して純資産額が1%減少したとします。
そうすると結果的に1口当たりの純資産額も1%下落するわけですが、そのREITを誰も売り買いしなかったとしたら、REIT価格は変わらないままとなりますよね。
こうなると、1口当たり純資産額とREIT価格との間に乖離が生じ、割安・割高という概念が生まれます。

本来、投資信託は1日1回基準価格を算出します。
この基準価格は、純資産額に基づくものです。
しかしREITとして上場すると、証券の売り手と買い手との需給に基づて決まった時価(=REIT価格)で、投資家は売買を行うことになり、純資産額(=基準価格)からの乖離が生じるわけです。

これはREITに限らず、株式指標に連動するETFについてもいえることです。
ETFは手数料が安いといわれていますが、純資産価格より割高な価格で買うと、連動指標よりも低いリターンしか得られない結果になることもあるので、実は注意が必要なのです。
この純資産額とREIT価格(ETF価格)との差を、専門用語で「トラッキングエラー」とも言います。

REITやETFは上場によっていつでも取引可能になる(流動性が高まる)のがメリットといわれています。
しかし、純資産額とのズレという価格変動リスクが新たに生まれてしまうデメリットもあるのです。

ちょっと話が長くなりましたが、こういう視点でお金の世界を見れるようになれば、投資信託にまつわる様々な問題が出ても対応できるようになりますね。
1級の金融資産運用の問題は、深く突っ込んだ出題も見られます。
学びの視野を広げながら、合格できる力を高めてくださいね!

また、ちょっと難しいことをわかりやすく伝えることも、FPとして大切なスキルです。
自分の言葉で説明する練習も、積んでおくとよいですね。
1級実技試験では、自分の言葉で説明することが求められますから。


それでは明日に、次の問題を配信します。
お楽しみに!!
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■7/22(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会
■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
■8/19(日) FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会

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posted by FP勉強会スタッフ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融資産運用