2018年05月01日

FP1級通信添削.11の解答解説:区分所有法の規定と実務運用に関する問題

前回の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

今回は、法律の記述の理解だけでなく、実務例についても問う問題でした。
皆様からお送りいただいた回答内容を踏まえて、解答と解説をお送りします。


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    2018年1月 FP技能士1級学科 基礎編 問38(一部改題)
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建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述に関して、答えなさい。


1) 区分所有者が管理者を選任または解任するためには、集会の決議による
ことが必要であるが、規約で別段の方法を定めることはできるか?できないか?
規約で別段の方法を定めることができる場合には、実際にどのような方法が
採用されているか、答えなさい。


■お送りいただいた解答

規約で別段の方法を定めることはできる
1年ごとの当番制等


■お送りいただいた解答(※一部抜粋とさせていただきました)

規約で別段の方法を定めることができる。
実際の方法は下記の通り↓
※以下、「保坂つとむの宅建ブログ」から引用・抜粋

区分所有者は,
普通決議(区分所有者および議決権の『各過半数』による
集会の決議)で,管理者を“選任”できる。
(ただし… 『規約』に別段の定めがあるときを除く!)
 ↓
上記のとおり,管理者の選任(&解任)について
“規約に別段の定め”があれば,それに従うことになる。
具体的には,次の2つのケースがある。
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 a) 規約に「○○が,管理者です。」と,
  特定の者が管理者である旨を,“直接”定めてしまう。
 b) 規約に「管理者は,○○の方法で選ぶ。」と,
  その“選任方法”を定めてしまう。
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 ↓
上記b)の具体例としては,次のようなケースがある。
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 ● 「管理者は,理事会で選ぶ。」と定める(理事の互選)。
  ※ 「互選(ごせん)」とは,仲間内で選ぶ…という意味!
 ● 「各区分所有者が,毎年,持ち回りで,管理者に就任
  する。」と定める(いわゆる“輪番制”)。
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここまで ━━━


お二人とも回答いただき、ありがとうございました。
規約で別段の方法を定めることができる、で正解ですね。

その具体的な方法も、当番制(輪番制)、指名制、互選など具体例をあげていただきました。これでみなさんも、イメージが沸くと思います。

試験対策テキストには「規約で別段の方法を定めることができる」とだけ書いてあるケースも多いことでしょう。
この書き方では、何の事かよくわからないと感じるのも無理はありません。
そこで一歩踏み込んで、このような記述を見かけたら自分で調べる習慣をつけると、理解も深まり、試験の得点アップと実務力アップにつながりますよ!



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2) 規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各いくら以上の
多数による集会の決議が必要であるか、答えなさい。


■お送りいただいた解答

区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要。


■お送りいただいた解答(※一部抜粋とさせていただきました)

(区分所有法31条1項)より
四分の三以上

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここまで ━━━

お二人とも、4分の3という回答で正解ですね。
この通り正解です。比較的簡単でしたでしょうか。
関連して、次の問題がありますので、そちらに進みましょう。



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3) 規約の変更において、「その変更が一部の区分所有者の権利に特別の
影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない」と
されているが、「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」の
具体例を1つ以上あげてください。


■お送りいただいた解答

※以下、弁護士法人みずほ中央法律事務所・司法
 書士法人みずほ中央事務所HPから引用・抜粋

規約で、管理費や修繕積立金の負担割合について専有部分の床面積や
共有部分の共有持分の大小を問わずに区分所有者間で均等にすると
定める。

一部の区分所有者に過度の負担を課すことになる。

「特別の影響を及ぼす」といえる。

当該区分所有者の承諾が必要である。


■お送りいただいた解答

駐車場の専用使用権
日照権に問題が及ぼしかねない工作物の建造
管理費の負担割合増
使用頻度による負担割合増
無償の専用使用権の有料化
住所専用規定の新設と廃止

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここまで ━━━

お二人とも、解答ありがとうございました。

まずはお一人目の解答から見てみましょう。
管理費や修繕積立金は、一般的に専有面積の多い人ほど負担も大きくなるようにされているケースが多いですね。
しかし「どの専有面積の人も一律の管理費や修繕積立金とする」に規約が変更されたら、どうでしょうか。

しかも、これで多数決的な決め方をしてしまうと、少数の床面積が小さい人が一方的に負担増になってしまいますね。
一部の人に強い不公平感を伴う負担を強いる変更ですから、こういう変更においては、その区分所有者の承諾が必要と法律で定められているのです。


次に二人目の方の解答をみていきましょう。
6つの内容が列挙されていますが、この言葉だけでは、具体的にどのような事柄を指しているのかがちょっと読み取れませんでした。
読み手がイメージできるよう、もう少し具体的な説明で書いていただけるとよかったかな、と思います。

管理費についても書いていただきましたが、これはお一人目の方の解答と同じことを指しているのかな、と思います。
駐車場についての記述がありますが、これについて詳しく触れてみます。

例えば、すでに利用者が固定的に決まっている駐車場を改めて抽選制にきりかえるとか、無料だった駐車場を有料化するといった規約変更が該当しますね。既存の駐車場利用者からすれば、非常に不利益の大きい規約変更ですが、このような場合には、事前に駐車場を利用している区分所有者の承諾が必要になるよ、ということです。

実際、区分所有者の承諾なしに駐車場に関する規約変更をしたことで、不利益を受けることになった区分所有者が裁判を起こすトラブル事例が、ちらほらありますね。



今回の解説は以上です。
具体的な実例と合わせて勉強することで、理解が深まることをご体験いただけたら幸いです。

次の問題は、明日に配信しますので、お楽しみに!
 

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posted by FP勉強会スタッフ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産
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