2019年04月09日

FP1級通信添削の解答解説.36:個人事業者への事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予

前回の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

4/28(日)に開催する、
・FP1級新制度&制度改正 徹底対策勉強会(CFP試験対応)
で使用する問題から、抜粋して出題しています。

出題した問題は、下記の通りでした。

 
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 4/28(日) FP1級新制度&制度改正 徹底対策勉強会(CFP試験対応)より
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2019年1月より、個人事業主を対象として、事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度(以下、「本制度」)が創設された。
本制度に関する下記のそれぞれの記述について、正しいものには〇を記入しなさい。誤っているものについては、誤りの箇所を正しい記述に訂正しなさい。

問1:本制度により、対象となる事業用資産の課税価格に対応する相続税や贈与税の税額が、猶予される。


問2:被相続人の事業の用に供されていた建物は、その面積のうち330uを上限として、本制度の対象となる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


今回も、皆さんからいただいた回答をご紹介しながら、解説をしていきます。
いただいた回答全てを紹介しきれませんが、代表的な回答をご紹介いたします。

それでは問1から順に、みていきましょう。

 
■いただいた回答
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問1:本制度により、対象となる事業用資産の課税価格に対応する相続税や贈与税の税額が、猶予される。

○:(10年間の時限措置)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

解答ありがとうございました。
本制度の基本的な説明であり、このとおりです。
あくまでも、事業用資産の部分の納税額だけが猶予の対象であり、それ以外の資産に対しては通常通り相続税や贈与税は課税されます。

また、10年間の時限措置という点は、実務上重要ですね。
非上場企業の株式の納税猶予も、10年間の時限措置ですが、これと同じルールになっています。

この問題に×と回答された方もいらっしゃいましたが、問題をかなり深読みをしすぎていらっしゃったようです。
問われている文章についての正誤だけに着目して、回答していただければ基本的には問題ありません。
これは、実際の試験でも同様です。

それでは次に、問2に行きましょう。

 
■いただいた回答
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問2:被相続人の事業の用に供されていた建物は、その面積のうち330m2を上限として、本制度の対象となる。

【解答】×:被相続人の事業の用に供されていた建物は、その床面積のうち800m2を上限として、本制度の対象となる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

はい、この通りで正解です!
建物の場合は、床面積要件が800m2となっています。
小規模宅地の特例の床面積とは異なる点を、理解しておきましょう。

もう一人の解答もご紹介しますね。

 
■いただいた回答
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問2:被相続人の事業の用に供されていた建物は、その面積のうち330m2を上限として、本制度の対象となる。

誤り:特定事業用宅地等について選択適用。つまり納税猶予の適用を受ける場合は、
特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の
特例を受けることができない。

なお、納税猶予対象資産(特定事業用資産)は
1.土地(面積400m2まで)
2.建物(床面積800m2まで)
3.減価償却資産(固定資産税、または営業用車両の課税対象となっているもの等)

ただし、相続開始前3年以内に事業の用に供されていた宅地等は除外。これにより
制度の悪用防止に一応最低限の措置は取られていると思いますが、個人所有の
高額な車両を事業用と偽り税負担を逃れる者が出てこないよう都道府県か経産省が
きちんとチェックしなければいけないと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

まず、この問題の解答そのものは、前の方の解答で説明した通りです。

こちらの解答では、追加して小規模宅地の特例についても説明していただいていますので、それについて私から補足します。

本制度の納税猶予対象資産(特定事業用資産)は
1.土地(面積400m2まで)
2.建物(床面積800m2まで)
3.減価償却資産(固定資産税、または営業用車両の課税対象となっているもの等)
とご説明していただいていた通りで、あっています。

そして、「納税猶予の適用を受ける場合は、特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を受けることができない。」という説明も正しいです。
つまり、事業用の土地については、小規模宅地の特例と本制度とを併用することはできず、使うならどちらか一方を選択することとなります。
猶予後の免税を狙いに行くか、それとも8割減の納税で済ませてしまうか、という選択になろうかと思います。
実務上はあらゆる状況を踏まえて、有利な選択することが求められますね。

あと、「相続開始前3年以内に事業の用に供されていた宅地等は除外」と記入いただいていますが、これは小規模宅地の特例について当てはまる内容です。
2019年4月以降は、この改正の通り施行されています。

ただし、納税猶予制度については、「相続開始前3年以内に事業の用に供されていた宅地等は除外」ではありません。
この違いにはご注意くださいね。

 
以上が、今回の解答&解説となります。
解答と同時にいただいた一言コメントは、後日ご紹介させていただきますね。

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posted by FP勉強会スタッフ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続・事業承継・贈与
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