2018年07月03日

FP1級通信添削.20の解答解説:REITに関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

今後しばらくは、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。

今回も、皆様から解答をいただきました。
解答を呼びかけましたら、今週は3名の方から回答をいただきました!
どうもありがとうございます。

先週いただいた解答は1名でしたので、先週比+200%(+2名)です!!
投資のリターンでも、これくらいほしいものです(笑)

皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。
今回は2つの問題を出題しましたが、1つ目の問題は全員同じ回答でしたので、その中からお一人を代表してご紹介します。


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 2018年5月実施 FP技能士3級 実技(FP協会) 問6を改題
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下記資料のREITについて。

<資料>
KX不動産投資法人
 REIT価格:203,000円
 1口当たり純資産:236,000円
 1口当たり分配金(年間予想):8,000円


(問1)
KX不動産投資法人の分配金の予想利回りはいくらか、計算しなさい。


■お送りいただいた解答
KX不動産投資法人の分配金の予想利回りについて
不動産投資の分配金は株式でいう配当金のことですので、
利回り(%)=1株当たり配当(分配)金/株価×100ですので、
KXの分配金利回り=8,000円/203,000円×100≒3.94%
となります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


解答ありがとうございます。答えは3.94%で正解です。
REITの分配金予想利回りを求める場合は、1口当たり純資産ではなく、REIT価格のほうで計算をします。
REIT価格は、投資家が実際にお金を投じるときの価格(株で言うところの株価)なので、こちらの方を使用して計算するのです。

では次に、2つ目の問題です。
お一人目の解答をまずはご紹介します。


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(問2)
1口当たり純資産と、REIT価格のそれぞれについて、簡単に説明してください。
(投資に興味を持つ人が、この2つは何がどう違うの?と疑問に思うことが
 あります。その人に説明するつもりで、答えを書いてみてください)


■お送りいただいた解答
・1口当たり純資産
決算短信でよく見る簿価ベースでの純資産(簿価ベースの資産から負債を引いたもの)を簿価純資産と呼ばれます。それを発行済投資口数(株式でいう「株数」)で割ったものを言います。
※ 1口当たり純資産=(簿価ベースの資産―負債)/発行済投資口数

・REIT価格
REIT価格は投資口価格と呼ばれ、株式でいう株価のことを言います。


ちなみに市場で取引されている投資口価格=REIT価格(株式でいう「株価」)に発行済投資口数 (株式でいう「株数」) を乗じた価格を時価総額と言い、
価値を評価する際の指標になります。 時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


解答ありがとうございます。
1口当たり純資産と、REIT価格の両方の説明をしていただきました。
この説明は正しいものですが、両者の違いが何なのか、という観点での説明を
もう一言追加すればベターですね。

というのも、そもそも1口当たりの純資産の額=REIT価格、として投資信託は
スタートしますよね。
REITはインデックス連動型ETFと同じく、資産の裏付けがあり
その資産を小口化して投資家に投資してもらうものですからね。
そのように、投資初心者向けには説明もされています。

その両者が、どうして異なる金額となってしまうのでしょうか・・・
という点について触れられると、すばらしいです。

でもヒントになることを書いていただいています。
それは解答中にある「将来の成長に対する期待」という概念です。
1口当たり純資産には、将来の成長に対する期待は加味されていません。
一方で、REIT価格には、この期待が加味されていますよね。


では、次の方の解答を見てみましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1口当たり純資産とは、保有する不動産などの総資産から負債を引いたものを
純資産額といいます。それをさらに投資口の発行口数で割ったものが一口
当り純資産額です。
一口当り純資産額は投資家が保有する投資口一口が持つ資産価値を表しています。
一口当たり純資産額と実際の投資口の時価とを比較することで、投資口の
価格が割安であるのか、割高であるのかを分析することができます。
株式投資の評価指標であるPBRをREITでも同じように使うことができます。

PBR(倍)=REIT価格÷1口当たり純資産

203,000円÷236,000円=0.86倍


REITとは、通常個人では不可能な大型不動産への投資を細分化した証券にして、
個人でも小口で不動産投資ができるようにしたものです(不動産投資信託)。

不動産価格が上昇するとREITが保有する不動産の価格上昇を通じて、
REITの価値を高めることになり、REIT価格は上昇する傾向があります。
逆に不動産価格が下落するとREIT価格は下落する傾向があります。

賃料相場が上昇するとREITが保有する不動産からの賃料収入増加を通じて、
REITの価値を高めることになり、REIT価格は上昇する傾向があります。
逆に不動産の賃料相場が下落するとREIT価格は下落する傾向があります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


解答ありがとうございます。
こちらの解答も、それぞれについてご説明いただいている点はバッチリです。
ですがやはり、両者の違いにあたる点についてもう一言いただけると
すばらしいです。

REIT価格と1口当たり純資産とを、PBRの概念を使って説明できているところは
とても重要なポイントですね。

ちなみに、不動産価格が上昇すると(賃料相場が上昇しても不動産価格の上昇につながります)、REIT価格だけでなく1口当たり純資産も増加しますよね。
だとすれば、ますますこの両者の違いは何だろう?と考えるほどに疑問に思うかもしれませんね。
そういう疑問を説明できるくらいのスキルが、1級試験であると望ましいです。

それでは最後の方の解答をご紹介します。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
保有する不動産などの総資産から負債を引いたものが純資産額です。
純資産額を、投資口の発行口数で割ったものが1口当たり純資産額です。

REIT価格は、株式と同じように、投資家の需要と供給により変動します。
より多くの投資家が購入すれば、価格は上昇します。その一方で、より多くの投資家が売ろうとすれば、価格は下落します。
不動産市況、不動産賃貸市場の動向、金利や経済見通し、運用成績に対する期待など、様々な要因の影響を受けます。

1口当たり純資産額とREIT価格を比較することで、投資する価格が割安であるのか、割高であるのかを考える上でひとつの参考資料となります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


解答ありがとうございます。
需要と供給という言葉が出ましたが、これを「REITの持つ本来的な資産価値と関係なく」という説明が入っていると、より本質的な説明になりますね。

例えば、資産価値が下落して純資産額が1%減少したとします。
そうすると結果的に1口当たりの純資産額も1%下落するわけですが、そのREITを誰も売り買いしなかったとしたら、REIT価格は変わらないままとなりますよね。
こうなると、1口当たり純資産額とREIT価格との間に乖離が生じ、割安・割高という概念が生まれます。

本来、投資信託は1日1回基準価格を算出します。
この基準価格は、純資産額に基づくものです。
しかしREITとして上場すると、証券の売り手と買い手との需給に基づて決まった時価(=REIT価格)で、投資家は売買を行うことになり、純資産額(=基準価格)からの乖離が生じるわけです。

これはREITに限らず、株式指標に連動するETFについてもいえることです。
ETFは手数料が安いといわれていますが、純資産価格より割高な価格で買うと、連動指標よりも低いリターンしか得られない結果になることもあるので、実は注意が必要なのです。
この純資産額とREIT価格(ETF価格)との差を、専門用語で「トラッキングエラー」とも言います。

REITやETFは上場によっていつでも取引可能になる(流動性が高まる)のがメリットといわれています。
しかし、純資産額とのズレという価格変動リスクが新たに生まれてしまうデメリットもあるのです。

ちょっと話が長くなりましたが、こういう視点でお金の世界を見れるようになれば、投資信託にまつわる様々な問題が出ても対応できるようになりますね。
1級の金融資産運用の問題は、深く突っ込んだ出題も見られます。
学びの視野を広げながら、合格できる力を高めてくださいね!

また、ちょっと難しいことをわかりやすく伝えることも、FPとして大切なスキルです。
自分の言葉で説明する練習も、積んでおくとよいですね。
1級実技試験では、自分の言葉で説明することが求められますから。


それでは明日に、次の問題を配信します。
お楽しみに!!
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■7/22(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会
■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
■8/19(日) FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会

<姉妹サイト:FPスキル実践活用勉強会のご案内>
試験勉強で得た知識を発揮し、FPの実務力を高める内容を扱っています。
FPの方、FPを目指す方が集まる懇親会もあります。
■7/26(木) ライフプランソフトを活用し、FP相談の質と満足度を高めよう

参加申し込み、勉強会の詳細はこちらから:
https://money-study.net/1fp/session/
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2018年06月19日

FP1級通信添削.18の解答解説:つみたてNISAに関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

7/29(日)に、「FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会」を開催します。
この勉強会で使用する問題から、一部抜粋して出題しています。

今回も、皆様から解答をいただきました。
その解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。


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7/29(日)開催のFP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会より、さらに改題
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2018年1月より、積立型の少額投資非課税制度(以下「つみたてNISA」と表記)の制度が開始された。
改正後の下記の記述について、正しい場合は〇を記入のうえ、一言程度の補足説明を加えてください。
記述が誤りの場合は、誤りの箇所を正しい記述に訂正しなさい。


「NISA口座の保有者が新たにつみたてNISA口座で運用を始める場合、NISA口座で運用中の金融商品を、つみたてNISA口座へ移管することはできないため、NISA口座で運用中の金融商品を売却しなければならない。」


■お送りいただいた解答
×

一般NISAとつみたてNISAの両方を同時に利用することはできず、どちらか1つを選択する必要がある
一般NISAからつみたてNISAへ、つみたてNISAから一般NISAへの口座変更は、1年ごとに行うことができる。

今年すでに「一般NISA口座」で金融商品を購入している場合は、今年中は「つみたてNISA口座」で金融機関の購入を行うことはできませんが、翌年なら可能です

「一般NISA口座」から「つみたてNISA口座」へ利用を変更しても、その後、金融商品の新規購入ができなくなるだけで、「一般NISA口座」は非課税口座として残ります

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

解答ありがとうございました。
この問題の正解は「×」ですね。ご記入いただいた解説も正しいですね。

一般NISAとつみたてNISAは、1つの年で両方の口座を開くことはできません。
いずれか一方だけの開設しかできないのです。
ですので、この両者を切り替えたい場合は、翌年1月1日をもって切り替えることになります。

では、つみたてNISAに切り替えた後、それまで一般NISAで購入した金融商品はどうなるかについて、説明します。
それまで利用していた一般NISAの口座は、引き続き存続します。
問題文に「つみたてNISA口座へ移管することはできないため」とありますが、この部分の記述は正しく、つみたてNISA口座へ移管する(金融商品を移動させる)ことはできません。

なお、一般NISA口座で運用中の金融商品は、引き続き運用が続きます。
非課税の取り扱いも、続きます。
したがって問題文中の「NISA口座で運用中の金融商品を売却しなければならない」という記述は誤りです。売却する必要はありません。

ただし、5年間という非課税期間が終了すると、再び一般NISA口座にロールオーバーすることはできません。
売却するか、特定口座に移管するか、の選択となります。



以上が本問の解説です。
本問のように、口座の切り替えに関するルールもいろいろ定められていますが、証券会社のホームページなどに記載がありますので、そちらにも目を通しておくとよいでしょう。
それも、1級FP試験対策の立派な教材ですよ!

こういった制度改正を、集中的に学べるのが7/29(日)に開催する「FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会」です。
制度改正を幅広く学べますので、次の試験で得点アップを狙う方は、ぜひご参加くださいね。

この勉強会の詳細と参加申し込みは、下記URLよりお願いいたします。
https://money-study.net/1fp/session/



今回いただいた一言コメントは、後日ご紹介させていただく予定です。
次回からは、少し趣向を変えて、先月5月に行われたFP技能士3級と2級の試験から出題します。
もちろん、そのまま出題はせず、1級受験者向けに改題しますよ(笑)
次の問題は、明日に配信しますので、お楽しみに!
 

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  今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■7/22(日) 難関FP1級学科を乗り越えるための合格ガイダンス会
■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
・8月(予定) FP技能士1級学科 総合力強化勉強会

<姉妹サイト:FPスキル実践活用勉強会のご案内>
試験勉強で得た知識を発揮し、FPの実務力を高める内容を扱っています。
FPの方、FPを目指す方が集まる懇親会もあります。
■6/23(土) FP相談:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
■6/23(土) FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会
■7/26(木) ライフプランソフトを活用し、FP相談の質と満足度を高めよう

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2018年05月22日

FP1級通信添削.14の解答解説:確定拠出年金の掛金の年単位拠出に関する問題

前回の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

しばらくの間、7/29(日)に開催する「FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会」で使用する問題から、一部抜粋して出題しています。
今回は、皆様から解答をたくさんお送りいただきました。
どうもありがとうございます!
皆様にとってもなじみ深い確定拠出年金だったから、解答しやすかったかもしれませんね。

でも1級試験では、なじみのないものも積極的に出題されますので、なじみあるものばかりをこの通信添削で出すわけにもいかないなあと思っています(笑)

今回も、皆様から頂いた解答をもとに、私からも解説をお伝えしますね。
なお、お送りいただいた解答の全てをご紹介しきれませんので、一部抜粋をしてご紹介させていただきます。
(いただいた解答は、私のほうですべて目を通しています)
予めご了承いただきますよう、よろしくお願いいたします。

今回は、正解に近い解答ほど、後にご紹介していくことにしております。
では、最初の解答をご紹介します。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会より、さらに改題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2018年以後、確定拠出年金制度の一部が改正された。改正後における下記の記述が正しい場合は、〇を記入のうえ、FPとして一言程度補足の説明を加えてください。
記述が誤っている場合は、誤りの箇所を正しい記述に訂正しなさい。なお、個人型確定拠出年金を以下「iDeCo」と表記する。


「掛金を年単位で拠出できるようになったことにより、公務員である者がiDeCoの掛金を、毎年4月に144,000円を拠出することができる。」



■お送りいただいた解答
○:掛金の拠出単位が「年一回以上」となったことにより、例えばボーナス時に
弾力的に拠出することも可能になり、限度額をフルに活用しやすくなります。
これまでは、資金不足等の理由により、限度額に使い残しがあっても、
翌月に繰り越すことが認められてなかったものが、今後は限度額を使い切り
やすくなるので、それだけ税制面においても優遇されやすくなります。


■お送りいただいた解答
◯正解です。
公務員は厚生年金の二号又は三号の被保険者になるため
確定拠出年金の掛け金の限度額は毎月12,000円になるため
年間で144,000となります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

お二人とも、解答ありがとうございます。
記述が正しいとして回答いただきましたが、実は、この記述は正しくないのです・・・
正誤の解答は残念ながら間違いではありましたが、お二人が書いていただいた補足説明は、正しいですね。

今年1月の改正により、「毎月拠出」以外の方法が認められ、年間での掛金限度額以内であれば、1年を通して柔軟な掛金拠出ができるようになりました。
ボーナス時に多く拠出するとか、例えば3ヶ月に一回の拠出といったとも可能になっています。

補足説明が正しいのに、解答が間違いってどういうこと?と思われたかもしれませんね。
注目してほしかったのは「毎年4月に」という記述です。
年間で144,000円の拠出は可能なのですが、毎年4月に144,000円の拠出はできないのです。

では、次の方の解答を見てみましょう。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

誤り

「毎年4月に」ではなく
「毎年12月を含み1年間で自由に」と直す

掛金の拠出については、12月分の掛金から翌年の11月分(実際の納付月は、1月から12月)の拠出期間を1年とし、この期間の拠出金額を設定します。この1年間の拠出の仕方は、加入者が自由にできます。ただ、11月分(12月納付)の掛金は、必ず含むこととされています。公務員であれば、毎月の限度額が12000万円ですから、年間で144000万円というところはあっています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

解答ありがとうございます。
問題文の記述が「誤り」なのはあっていますが、解説の一部に誤りがあります。

「毎年12月を含み1年間で自由に」とありますが、掛け金は1年間の12か月間で自由に設定できますが(もちろん限度額の範囲で)、どの月でも144,000円を設定できるわけではないのです。
詳しくは、次の方の解答のところでご説明しますね。

それと1つ気づいた点がありますが、解説の記述の中に「年間で144000万円」という記述がありました。正しくは「年間で144000円」ですね。FP試験では、このように解答の単位を間違えると、不正解(部分点なしの0点)とする採点方式ですので、細かいところですが気を付けてくださいね。

では最後に、こちらの解答をご覧ください。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

回答 バツ

今回の改正で、掛金を年単位で拠出出来るようになったのは正しいのですが、将来の分を
前もって拠出することは出来ないのでバツになります。

会社などを退職する、勤めている会社が企業型DCを始める等、限度額が将来変更になる
事が起こる可能性があるため、前もって掛金を拠出することは出来ないと考えられます。

なお、この場合の1年は12月から翌年の11月までのサイクルになります。ですので、11月
に限り限度額(既に拠出をしている場合は限度額と拠出済の額との差)を一度に拠出する
ことは可能になります。

さらに年単位の拠出に関して注意する点は
・拠出限度額はこの1年サイクルを超えることは出来ません。
・iDecoの資格を取得した月より前の月の分として拠出することは出来ません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

解答ありがとうございます。
この問題のポイントとなる点も、しっかり書けていますね!

ご記入いただいた「将来の分を前もって拠出することは出来ない」というルールがあるのです。ここをぜひ、みなさん知っておいてくださいね。
言い換えると、掛金の前納はできないという意味です。

掛金を年単位で拠出できるといわれているものの、考え方としては、次の通りとなります。

・「毎月」の掛金上限額は、これまでと変わっていないが、
・ある月に掛金を拠出しなかったら、その掛金可能額は翌月に持ち越される(いわゆるキャリーオーバー)
・ただし年度末の11月拠出(12月引き落とし)を過ぎると、持ち越された掛金可能額は失われる

したがって、年間拠出可能額を全額一度に拠出できるのは、年間で最後の月となる11月拠出(12月引き落とし)に限られるのです。


今週の問題は、いかがでしたでしょうか?
比較的簡単♪と思われた方が多かったかもしれませんが、制度の深いところまで知っていないと、正しく解答できない問題でした。

世間では、単純に「掛金の年単位化が可能になった」等といわれていますが、FP1級試験ではもっと深い理解が求められます。
効果的な勉強法としては、厚生労働省が出している資料に目を通すとか、確定拠出年金を導入する企業や総務担当者向けの資料にまで目を通すことが望ましいですね。

7/29(日)に開催する「FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会」では、この問題を含め、確定拠出年金の改正だけでも約10問ほど用意しています。今回の通信添削でお出しした問題は、実は、その中でも簡単な問題に分類されるほうなのです・・・

確定拠出年金に限らず、FP1級試験の対象となる制度改正に深くしっかりと対応できる力をつけたい場合には、こちらの勉強会をご活用くださいね。
この勉強会の詳細と参加申し込みは、下記URLよりお願いいたします。
https://money-study.net/fp/session/



今回いただいた解答に、一言コメントもいただきましたので、それは今週の別の時にご紹介させていただきますね。

次回も、新制度・制度改正について出題します。
次回の問題は、明日に配信しますので、お楽しみに!
 

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■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
●8月(予定) FP技能士1級学科 総合力強化勉強会

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●6/23(土) FP相談:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
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2018年05月16日

FP1級通信添削.14:確定拠出年金の掛金の年単位拠出に関する問題

毎週恒例の、FP1級学科試験の通信添削です。

私から問題をお出ししますので、皆様からの積極的に解答をお待ちしています!
翌週に、皆様から頂いた解答をご紹介し、ご質問にもお答えしながら、正解と
解説をお届けします。
ラジオの読者投稿コーナーのような感じで、楽しみながら勉強しましょう!

CFP試験にも対応していますので、CFPを目指す方もご活用くださいね。

 
今回も、当勉強会で開催予定の「FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会」で使用する問題から出題します。
もし問題の答えが分からなかったら、ぜひ自分で調べて解答してみて下さいね。

それでは、本日のお題となる問題は、こちらです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会より、さらに改題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2018年以後、確定拠出年金制度の一部が改正された。改正後における下記の記述が正しい場合は、〇を記入のうえ、FPとして一言程度補足の説明を加えてください。
記述が誤っている場合は、誤りの箇所を正しい記述に訂正しなさい。なお、個人型確定拠出年金を以下「iDeCo」と表記する。


「掛金を年単位で拠出できるようになったことにより、公務員である者がiDeCoの掛金を、毎年4月に144,000円を拠出することができる。」



【皆様からの質問、FP体験談、雑談など一言メッセージ(任意回答・何でもOK!)】



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(問題ここまで)━━━

年単位での拠出の話題は、しばらく前から出ていましたね。
ようやく今年から、正式に施行となりました。

分からない問題があれば、ぜひ簡単にでも調べて、解答してみて下さいね。
来週に私からお送りする解答には、細かい観点で正しい点、誤りの点も補足アドバイスも付け加えていきます。
1級の学習をサポートしてもらえる機会は、たいへん貴重ですよ!
自分のためにも、そして他の受検者にも役立つ取り組みにしていきますので、皆様からの回答をお待ちしています!


【解答方法】
■メールマガジンをお読みの方:
このメールに返信のうえ、上記の問題文中に解答を記入して送信して下さい。
メールの返信ボタンを押すと、メールの宛先が publisher.mag2.com のドメインになっている場合があります。
それでも、私のところにメールが届きますのでご安心ください。

■ブログ、facebook、ツイッターなどでこの問題をご覧の方:
お手数ですが、当勉強会の公式サイトのお問い合わせページから、メールで解答をお送りください。
メール本文に、上記問題文に解答をご記入の上、ご送信ください。
お問い合わせページ:https://money-study.net/contact.htm


皆様からの解答は、次の日曜日の23:59まで受付します。
解答とお返事の配信は、次の火曜日を予定しています。
メールでいただいた皆様からの解答には、直接のお返事は差し上げませんが、
次回のメールマガジンにて解答、お返事を差し上げてます。



それでは、皆様からの積極的な解答を、お待ちしています!
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今後の勉強会の開催予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●5/13(日) FP技能士2級 頻出重要ポイント&難問対策総仕上げ勉強会
1級/CFPの方にとっては、確実に得点すべき基礎固めチェックができます!

●7〜8月(予定) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
●7〜8月(予定) FP技能士1級学科 総合力強化勉強会

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FPの方、FPを目指す方が集まる懇親会もあります。
●6/23(土) FP相談:価値観が違う夫婦の不安を解決するライフプランニング編
●6/23(土) FPなら知っておくべきお金の新制度&制度改正 勉強会

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2018年04月17日

FP1級通信添削.9の解答解説:信託商品に関する問題

前回の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

今回は、一般の人にはまだまだなじみが薄い、信託商品に関する問題でした。
皆様からお送りいただいた回答内容を踏まえて、解答と解説をお送りします。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    2018年1月 FP技能士1級学科 基礎編 問17(一部改題)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述において、適切か不適切かを
答えなさい。
さらに、それぞれの信託商品が、誰のために、どんな課題を解決するために
用意されたものなのか、あなたがFPになったつもりで簡単に説明してください。


1) 暦年贈与信託は、信託設定時に委託者と受益者の意思確認が行われ、
毎年のあらかじめ決められた日に、自動的に受託者が受益者に一定額を
振込送金する信託である。


■お送りいただいた解答

不適切:親や祖父母等(委託者)が、信託銀行に金銭等を信託し、毎年一定額を
子や孫(受益者)に贈与する信託商品で、毎年贈与の契約を締結して、贈与税の
基礎控除110万円までを非課税とする信託商品である。
注意する点は、毎年委託者と受益者の贈与の意思が確認されてから指定の金額を
送金する点である。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

ご解答ありがとうございました。
暦年贈与信託についての基本的なご説明もいただきました。

そもそもこの選択肢誤りですが、「あらかじめ決められた日に、自動的に」という箇所が誤りです。
贈与の都度、贈与金額や贈与の時期を、贈与者と受贈者とで決定し、契約書に記載していく手続き内容となっているためです。
暦年贈与信託は、連年贈与契約に該当しないよう、顧客にアドバイスをして運用するのが通常です。

暦年贈与信託のメリットは、1回1回贈与があったことを客観的な証拠として残せること、金融機関からの連絡をもらったりアドバイスをもらいながら、毎年の確実な贈与を行えること、相続税対策に使えること、などがありますね。

なお、贈与税の非課税額が110万円であるため、贈与額を110万円までに抑える方が多いようです。
しかし信託制度としては、110万円以上の贈与も可能となっています。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1) 暦年贈与信託は、信託設定時に委託者と受益者の意思確認が行われ、
毎年のあらかじめ決められた日に、自動的に受託者が受益者に一定額を
振込送金する信託である。


■お送りいただいた解答

不適切:これは贈与を受ける受益者の事務負担軽減のために設けられているが、
受取方法は振込みに限らない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

回答ありがとうございます。

「受取方法は振込みに限らない」とありますが、暦年贈与信託は金銭信託の一種であるため、銀行口座を用いて送金することを前提とした仕組みとなっています。
私も各銀行の暦年贈与信託商品を調べてみましたが、振込以外の方法で贈与もできると説明されているものは見つけられませんでした。
(実際にはもしかしたら存在するかもしれませんが、金融機関に個別に問い合わせるところまでは行っていません)




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3) 特定贈与信託は、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別
障害者の場合は8,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は5,000万円を
限度に贈与税が非課税とされる。


■お送りいただいた解答

不適切:特定贈与信託は特定障害者の生活を安定を目的とする信託商品である。
受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の
場合は3,000万円を限度として贈与税が非課税となる。


■お送りいただいた解答

不適切:非課税限度額が異なる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━

回答ありがとうございました。
この選択肢は、非課税制度の金額に誤りがある記述でした。
正しい非課税額は、解説していただいたとおり下記の金額です。

・特別障害者の場合は6,000万円
・特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円

この特定贈与信託は、障害者の方がその後の生活を安定的に送ることを目的とした制度です。
障害者の子を持つ親が、この信託制度を利用するケースが代表的活用事例として挙げられています。

親が生きていれば、障害を持つ子の面倒をみることができますが、親が亡くなってしまったら、子は親に頼らず生計を立てていかなければなりません。
その財産を、親が生前に信託財産というかたちで贈与をし、親が亡くなったら金融機関から生活費を子に送金して、安定した家計管理を実現できるのがメリットとなる制度です。




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4) 後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資することを目的に
設定される信託であり、信託財産は金銭に限定されている。


■お送りいただいた解答

適切:記述の通り。信託財産の払い戻しや解約をする場合は家庭裁判所が
発行する指示書が必要となる。


■お送りいただいた解答
不適切:信託財産は金銭に限定されない。

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回答ありがとうございました。
答えがお二人で別れましたが、この選択肢の記述は適切であり、この文章の通りの説明で正しいです。

回答のポイントとなるのは、「信託財産は金銭に限定されている」という部分です。
金銭以外の信託財産は認められていません。
有価証券や不動産を直接信託財産とすることはできませんが、それを売却して現金化すれば、それを信託財産とすることはできます。

この後見制度支援信託は、判断能力が衰えてしまった被後見人が安定的に生活し続けられるよう、信託財産を金融機関が保護・管理してくれるのがメリットの制度です。




今回は3つの信託商品に関する問題を扱いましたが、本問で紹介されたもの以外にも信託商品には様々なものがあります。
それぞれの信託商品で、信託財産として「金銭のみが認められているもの」と「金銭以外も認められているもの」とがあります。

本問の暦年贈与信託と後見制度支援信託は、金銭のみが信託財産として認められています。
しかし特定贈与信託は、金銭以外に有価証券や換金性の高い不動産が、信託財産として認められています。
細かいところではありますが、商品ごとの違いも含めて、理解しておきましょう。




では最後に、いただいた一言コメントもご紹介します。

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私自身、この問題は試験本番では不正解でした(3を選択)。
手持ちのテキスト(オーム社)に載っていない問題でしたので、
色々調べて解答しました。 よろしくお願いいたします。

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調べていただきながら、回答をお送りいただきありがとうございました。
テキストに載っていない問題が続々と出題されるのが、FP1級学科試験の特徴でもあります。

分からない問題だったとしても、自分で調べることで多くのことを学べます。
例えば本問の信託商品については、各銀行のインターネットサイトを見れば、信託商品について詳しく説明しているページが見つかりますよ。
その記述内容が、試験対策に有益な知識となります。

なんといっても、自分で一生懸命調べたことは、記憶に残りやすいものです。
単に私の解答を読むだけよりも、自ら答えを探す活動のほうに、多くの学びと価値があります。

テキスト以外も活用して幅広くお金の学習をつづけていくことが、FP1級を乗り越える力に変わっていきますよ!
皆さんも、ぜひこの姿勢を持ちながら、この通信添削企画にお付き合いいただけると嬉しいです!

次回の問題は、明日に配信しますので、お楽しみに!
 

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posted by FP勉強会スタッフ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融資産運用