2018年08月22日

FP1級通信添削.25の解答解説:被相続人が受け取るべきであった給与に関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。
今回配信した問題は、こちらでした。


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 過去の1級学科試験をアレンジしたオリジナル問題
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被相続人が受け取るべきであった給与を、被相続人が受け取らないまま死亡した場合に、その給与額に対してどのような課税が生じるかを答えなさい。

ただしこの問いには、給与に関する前提に応じて複数の答えが存在する。

考えられるだけ前提を挙げるとともに、
・どのような前提なら
・誰に対して
・どのような課税がなされるか
の3点をセットにして答えなさい。

※前提が3種類あれば、上記3点セットを3つ答えることになります
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


複数の人から回答をお送りいただきましたが、見事に全員正解でしたので、今回は代表してその中からお一人の解答をご紹介していきます。


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以下の3つの前提があると考えます。

死亡時までに支給期が到来していた給与
 所得税が被相続人に課せられ源泉徴収されます。したがって、相続開始後4か月以内の準確定申告では給与所得として申告します。

死亡時までに支給期が到来していない給与
 死亡後に支給期の到来する給与については、相続財産として相続税の課税対象となり、所得税は課税されません。
死亡後に支給額が確定した給与や、死亡後に支払い決議された役員賞与などは、本来の相続財産として相続税が相続人に対して課税されます。

死亡後3年経過後に確定した給与
死亡後3年経過後に支給の確定した給与については、その支給を受けた遺族の一時所得として所得税が課税されます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


回答ありがとうございました。この通りであっていますね。

「支給期が到来」とは、給与や賞与の支払い日のことです。
例えば会社の給与規定で、毎月20日締め、翌月15日払いの場合は、翌月15日が支給期の到来となります。

ご回答いただいている通り、支給期が到来していない場合(死亡後に給与の支給期が到来)は、相続人に対して相続税の課税対象となります。

逆に、支給期がすでに到来していた場合は、給与所得として被相続人に対して所得税の課税対象となります。
このケースに該当するのは、死亡後に給与計算ミスが判明し差額が支払われるとか、死亡後に給与規定が増額変更されて過去の給与分にさかのぼって増額などの場合が考えられます。
もちろん、給与の支払い遅延の場合もあり得ます。
あってほしくないケース・・・。

最後の「死亡後3年経過後に支給の確定した給与」は、ご回答いただいた通り、受け取った遺族への一時所得となります。
「支給が確定」がどういう意味かというと、いつ&いくら支払うかが決定、という意味です。
(いずれか一方だけだと、確定とは言わないのです)

これに該当するのは、極めてレアなケースでしょう。
例えば、次のような事例が考えられます。
・死亡から3年以上たってから、過去の支払い給与が増額変更され、差額が支払われる場合
・行方不明等により、3年以上昔に死亡したと法律上認定された後に、支払うことになったさらに過去の給与

 
以上のように、3種類の前提がある点を、理解しておいてくださいね。
大事なことは、この3種類の前提を、試験当日にもしっかり記憶にとどめ、問題に正解できる力に代えておくことです。
今回の配信を、読み物として読み流さないように、意識してくださいね。

 
次回の問題は明日に配信いたしますので、お楽しみに!
 

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2018年08月15日

FP1級通信添削.24の解答解説:土地のまた貸し評価に関する問題

みなさま、こんにちは。
FP技能士1級合格勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

 
前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。
このシリーズの最終回の問題となります。

今回は3人の方より回答をいただきましたが、全員部分的には正解していたのですが、残念ながら完全正解者はいらっしゃいませんでした。
お一人ずつ解答をご紹介することも考えましたが、今回は正しい解答と考え方をまずはご説明していきたいと思います。
解答をお送りいただいた皆さんは、自分の解答と読み比べながら違いを把握し、正しい知識を身につけていただければと思います。

今回配信した問題は、こちらでした。


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 2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問57をもとにしたオリジナル問題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
土地所有者であるAさんは、Bさんに借地権を設定してその土地を賃借した。
Bさんは、さらにCさんに対して借地権を設定して、その土地を賃借した。
Cさんは、その土地上に自身の居住用住宅を建て居住している。
以上の内容について、Aさんは承諾している。

この土地の自用地評価額は100,000,000円、この土地の借地権割合は「D」である。

以上の前提のもと、下記文章の( )に当てはまる言葉、数値を記入しなさい。
数値については計算過程を別途示したうえで、1円未満の端数は切り捨てること。


この土地は、Aさんにとっては「貸宅地」とみなし、Aさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。
Bさんにとっては(    )とみなし、Bさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。
Cさんにとっては(    )とみなし、Cさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━


実は今回の2級試験で、「転貸借地権」という言葉がでました。
これは、借地権をさらに貸し出した場合に登場する言葉です。
設例にもあるように、地主Aさん→Bさん→Cさん、というように土地をまた貸しした場合に、登場する言葉になります。

それでは、この問題の答えを順にみていきましょう。

 
まず、借地権割合を把握することが先ですね。
借地権割合がDですから、数値では60%となりますね。

 借地権割合がA → 借地権割合=90%
 借地権割合がB → 借地権割合=80%
 借地権割合がC → 借地権割合=70%
    ・   →    ・
    ・   →    ・
    ・   →    ・

のように、90%から始まって10%ずつ下がっていきます。
借地権割合を表すアルファベットと借地権割合の対応付けは、実は2級でも暗記事項ですから、しっかり覚えておいてくださいね。

それではAさんにかかる相続税評価額ですが、貸宅地ですから、
 100,000,000×(1−借地権割合60%)=40,000,000 (4000万円)
となります。これは、3級でも学ぶ超基本ですね!
解答をお送りいただいた3人とも、バッチリ正解でした!

ただ、以後のBさんとCさんにかかる相続税評価額では、答えが分かれていましたので、以後の内容をしっかり理解していってくださいね。

 
まず、BさんがCさんにまた貸しする前の時点では、Bさんにおいては「借地権」としてこの土地を評価するので、

 借地権=100,000,000×借地権割合60%=60,000,000 (6000万円)

が評価額となります。ここで、下記の等式が成り立つことを思い出してください。

 自用地評価額 =  貸宅地 + 借地権
 100,000,000 = 40,000,000+60,000,000

もとの自用地の評価を、二人で4:6で分け合うことにもなるわけです。

 
さて、BさんがさらにCさんに借地権を設定して貸します。
実はこのとき、Bさんの評価額を、BさんとCさんでさらに4:6で分け合うこととなるのです。

Cさんに貸した後、Bさん側の評価額を「転貸借地権」といい、下記計算式で算出します。

 転貸借地権 = 借地権 ×(1−借地権割合60%)= 60,000,000×0.4
       = 24,000,000 (2400万円)

Cさん側の評価額を「転借権」と言い、下記計算式で算出します。
 転借権 = 借地権 × 借地権割合60% = 60,000,000×0.6
       = 36,000,000 (3600万円)

以上より、問題の答えは、次のようになります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この土地は、Aさんにとっては「貸宅地」とみなし、Aさんにかかるこの土地の相続税評価額は( 40,000,000 )円である。
Bさんにとっては( 転貸借地権 )とみなし、Bさんにかかるこの土地の相続税評価額は( 24,000,000 )円である。
Cさんにとっては( 転借権 )とみなし、Cさんにかかるこの土地の相続税評価額は( 36,000,000 )円である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

このように、3者にまたがって土地が貸し出された場合においても、3人の評価額の合計は、元の自用地評価額と一致します。

自用地評価額 = 貸宅地 + 転貸借地権 + 転借権
  1億円  = 4000万円 + 2400万円 + 3600万円

いかがでしたでしょうか。
土地のまた貸し評価の評価ルールについても、この機会には理解しておいてくださいね。

 
次回からは、1級学科試験日が近づいてきているので、過去問ベースの問題配信を続けていきます。
次回の問題は明日に配信いたしますので、お楽しみに!
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  今後の勉強会の開催予定
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2018年08月10日

FP1級通信添削.24:土地のまた貸し評価に関する問題

先週にもお送りしました今回のFP1級通信添削の問題を、改めてお送りいたします。
回答者がまだまだ少数ですので、改めて回答を募集いたします!
知識を広げるためにも、お時間あればぜひチャレンジして下さいね!

 
本日のお題となる問題は、こちらです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問57をもとにしたオリジナル問題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
土地所有者であるAさんは、Bさんに借地権を設定してその土地を賃借した。
Bさんは、さらにCさんに対して借地権を設定して、その土地を賃借した。
Cさんは、その土地上に自身の居住用住宅を建て居住している。
以上の内容について、Aさんは承諾している。

この土地の自用地評価額は100,000,000円、この土地の借地権割合は「D」である。

以上の前提のもと、下記文章の( )に当てはまる言葉、数値を記入しなさい。
数値については計算過程を別途示したうえで、1円未満の端数は切り捨てること。


この土地は、Aさんにとっては「貸宅地」とみなし、Aさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。
Bさんにとっては(    )とみなし、Bさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。
Cさんにとっては(    )とみなし、Cさんにかかるこの土地の相続税評価額は(   )円である。


【皆様からの質問、FP体験談、雑談など一言メッセージ(任意回答・何でもOK!)】



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(問題ここまで)━━━


今回の2級試験で、土地のまた貸し評価に関する用語が出題されました。
土地のまた貸し評価は、1級でも過去に出題されたことはなく、FP試験界に新種の概念が登場したと言ってよいでしょう。
そこで、それを今回は問題にしてみました。

即答できない場合は、調べながら解答いただいてもかまいませんので、この機会に学びを深めてみましょうね。

来週に私からお送りする解答には、細かい観点で正しい点、誤りの点など補足アドバイスも付け加えてお伝えします。
1級の学習をサポートしてもらえる機会は、たいへん貴重ですよ!
ご自身のためにも、そして他の受検者にも役立つ取り組みにしていきますので、皆様からの回答をお待ちしています!

今回の解答は、少し期間を取って、8/13(月)まで受け付けます。
今後は、木曜日の朝に出題し、翌週月曜の23:59まで解答を受け付け、のサイクルで行う予定です。


【解答方法】
■メールマガジンをお読みの方:
このメールに返信のうえ、上記の問題文中に解答を記入して送信して下さい。
メールの返信ボタンを押すと、メールの宛先が publisher.mag2.com のドメインになっている場合があります。
それでも、私のところにメールが届きますのでご安心ください。

■ブログ、facebook、ツイッターなどでこの問題をご覧の方:
お手数ですが、当勉強会の公式サイトのお問い合わせページから、メールで解答をお送りください。
メール本文に、上記問題文と合わせて解答をご記入の上、ご送信ください。
お問い合わせページはこちら:https://money-study.net/contact.htm


皆様からの解答は、8/13(月)の23:59まで受付します。
解答解説は、次の火曜日に配信予定です。
メールでいただいた皆様からの解答には、直接のお返事は差し上げませんが、
次回以降のメールマガジンにて解答、お返事を差し上げてます。


それでは、皆様からの積極的な解答を、お待ちしています!
 

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2018年08月03日

FP1級通信添削.23の解答解説:特別の定めのある相続税評価に関する問題 続き

みなさま、こんにちは。
FP技能士1級合格勉強会運営スタッフ(公式サイト管理人)の佐藤です。

8/19(日)に開催する「FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会」も、まだまだ参加者募集中ですので、1級学科の得点アップを目指したい方のご参加をお待ちしています!
(勉強会の詳細は、末尾のご案内をご覧ください)

 
先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。

ここ最近は、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。
本日は、前回の途中だった問題の解説を続けます。

皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。
今回は難易度が高い問題でしたが、お二人の方から回答をいただきましたので、ご紹介していきます。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問57を改題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

問題3:
特別の定めがあるとされる「給付事由が発生していない定期金」について、その評価方法または算式を答えなさい
※「給付事由が発生していない定期金」とは、それに該当する生命保険や個人年金に限定して解答してよい。


■お送りいただいた解答
相続税法25条によれば, 同24条とは異なり定期金の種類によって算定方法が異なるものではなく,

次に掲げる金額のうちいずれか多い金額とされています。
(1) 定期金給付契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額
(2) 定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には、定期金給付契約に関する権利を取得した時において一時金の給付を受けるとしたならば給付されるべき一時金の金額
(3) 定期金給付契約に関する権利を取得した時におけるその目的とされた者に係る余命年数に応じ、その契約に基づき給付を受けるべき金額の一年当たりの平均額に、その契約に係る予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額


■お送りいただいた解答

(解約返戻金を支払う定めのあるものは)
・解約返戻金

(解約返戻金を支払う定めのないものは)
<掛金又は保険料が一時払いの場合>
・経過期間につき、掛金又は保険料の払込金額に対し、予定利率の複利による計算をして得た元利合計額に、0.9を乗じた金額
<掛金又は保険料が一時払い以外の場合>
・経過期間に払い込まれた掛金又は保険料の金額の一年当たりの平均額に、経過期間に応じる予定利率による複利年金終価率を乗じて得た金額に、0.9を乗じた金額

複利年金終価率=<(1+r)のN乗−1>/r
「r」=定期金給付契約に係る予定利率
「n」=給付期間の年数
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

お二人とも回答いただきありがとうございました。
私から、補足で説明していきます。

問題にある「給付事由が発生していない定期金」ですが、ざっくり言えば「まだ支払が開始されていない個人年金保険」と考えてください。
これ以外に該当するものは、現実にほとんどないでしょう。

今回お二人の方に回答をいただきましたが、法律上の説明で正しいのは、お二人目の方の解答です。
先日解説した「給付事由が発生して<いる>定期金」とは、評価ルールが異なる点に注意してください。

解約返戻金の定めがあれば、解約返戻金が優先して支払われるのが、「給付事由が発生して<いない>定期金」の評価ルールとなっているのです。

今回お出しした問題には、注釈として「それに該当する生命保険や個人年金に限定して解答してよい」と書きました。生命保険や個人年金は、解約返戻金を定めていますので、この問題の答えは単に「解約返戻金」と答えてしまってよいです。

解約返戻金の支払いに関する定めがない場合は、お二人目の解答にあるような規定になっています。0.9を掛け算する数式になっている点に注意してくださいね。


今回の問題は、かなり細かい点を突いた問題でしたけれども、相続税評価額についてこのような規定があるということも、知っておいてくださいね。
ちなみに、給付事由が発生している定期金と、給付事由が発生していない定期金の評価額を計算できるページが、国税庁のサイトにあります。下記URLをご紹介しますので、参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/nofu-shomei/teikikin/teikikin_menu.html


また、今回の問題の解答で登場した「複利年金現価率」は、定期借地権の評価計算でも使われます。
ついでにお時間がありましたら、定期借地権の評価ルールも合わせて勉強してみて下さいね。


今回の解説は、以上となります。
2回に分けてちょっと長い解説になってしまいましたが、1級を受験される方はこの機会に覚えておいてくださいね。
この解説を読んで理解することも大事ですし、自分で調べて知識を得ることも大事です。

でも一番大切なのは、試験当日に記憶できていて、問題が出題されたときにはバッチリ答えられる状況になっていることです。
(口で言うのは簡単だけれども、実現に苦労を伴います・・・)

そのためには、繰り返しの学習が必要だということを忘れずに、日々の学習を続けていってくださいね。

 
次の問題は、明日に配信いたしますので、お楽しみに!
 

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  今後の勉強会の開催予定
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■7/29(日) FP1級新制度&制度改正事項 徹底対策勉強会
■8/19(日) FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会
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■7/26(木) ライフプランソフトを活用し、FP相談の質と満足度を高めよう
■8/30(木) 金融オプションの仕組みと損得を、身近な事例でスッキリ理解!
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2018年08月02日

FP1級通信添削.23の解答解説:特別の定めのある相続税評価に関する問題

先週の、FP1級通信添削の解答・解説をお届けします。
今回は、解説のお届けが遅くなりまして申し訳ございません。
FP技能士1級勉強会を含めた勉強会運営のほうでちょっと忙しくしておりました。

8/19(日)に開催する「FP技能士1級学科 頻出重要ポイント対策勉強会」も、まだまだ参加者募集中ですので、1級学科の得点アップを目指したい方のご参加をお待ちしています!
(勉強会の詳細は、末尾のご案内をご覧ください)

 
ここ最近は、前回5月に行われたFP技能士3級と2級の試験問題から、1級受験者向けにアレンジして出題していきます。

皆様から頂いた解答をご紹介しながら、私からも解説をお伝えしますね。
今回は難易度が高い問題でしたが、お二人の方から回答をいただきましたので、ご紹介していきます。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2018年5月実施 FP技能士2級 学科 問57を改題
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次の文章を読み、後の問題に答えなさい。

相続税法では、財産評価の原則として、特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価によるとあり、特別の定めのあるものとして、地上権および永小作権、給付事由が発生している定期金に関する権利、給付事由が発生していない定期金に関する権利、立木についての評価方法を規定している。


問題1:
特別の定めがあるとされる「地上権」について、その評価方法または算式を答えなさい。


■お送りいただいた解答
地上権とは,他人の土地において工作物又は竹木を所有するため,その土地を使用する権利であるところ(民法265条),地上権設定契約等によりその存続期間が定められます(もっとも,存続期間の定めは必須ではなく,また,存続期間を永久とすることも判例上は有効とされています)。地上権の財産評価に関する「特別の定め」は相続税法23条ですが,その規定によれば,@地上権の目的たる土地の地上権設定時における,地上権が設定されていない場合の時価に,A地上権の存続期間の残存期間に応じて定まる割合(存続期間の定めの無いものは40%),を乗じて算出した金額によって評価されることになります。


■お送りいただいた解答
・地上権(借地借家法に規定する借地権又は民法(地下又は空中の地上権)の地上権(区分地上権)に該当するものを除きます。)の評価額は、
自用地価額に、法定評価割合を乗じて得た額です。

・地上権の設定されている土地(底地)の評価額は、
自用地価額から、先ほど求めた地上権の評価額を引いた額です。

<法定評価割合について>
残存期間 法定評価割合
10年以下 100分の5
10年超15年以下 100分の10
15年超20年以下 100分の20
20年超25年以下 100分の30
25年超30年以下及び地上権で残存期間の定めないもの 100分の40
30年超35年以下 100分の50
35年超40年以下 100分の60
40年超45年以下 100分の70
45年超50年以下 100分の80
50年超 100分の90
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

お二人とも、回答ありがとうございました。
地上権ってなあに?というのは、1級学科の受験者は必須の知識だと思ってください。
こちらのサイトが、地上権を分かりやすく解説しています。
https://iqra-channel.com/superficies

分かりやすく説明されていますが、試験対策で必要な知識は十分に得られません。さらにインターネットで調べれば、いろいろ解説がありますので、人に説明できるくらいの理解度を目指しておいてくださいね。

地上権はイメージとして、賃借権と所有権の中間的特徴を持つ権利です(中間より、どちらかといえば所有権よりでしょうか)
主に地下施設、高架施設、鉄塔など公共的構築物を建設するときに用いられます。

建設者側は土地の所有権を取得できればよいのですが、そうはいかず、とはいえ賃借権の設定だと何かと地主に承諾を取らなければ設備のメンテナンスや改修もままなりませんので、地上権を選択するというケースもあります。

お一人目の方の解答に、地上権についての解説がありますので、その内容は皆さんも確認して下さいね。

お二人目の方の解答には、具体的な評価方式が書いてありますので、参考にしてください。
ポイントは、次の通りです。
・地上権の残存期間によって、評価割合(借地権割合のようなもの)が定められている
・残存期間の定めがなければ、評価割合は40%である
・評価割合は、5年区切りで10%ずつ変化する
・評価割合は、5%〜90%の範囲である

以上が地上権についての評価方式ですが、この内容をパッと思い浮かぶくらいに繰り返し学習をしていきましょうね。

それでは、次の問題を見ていきましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
問題2:
特別の定めがあるとされる「給付事由が発生している定期金」について、その評価方法または算式を答えなさい。

■お送りいただいた解答
相続税法24条1項によれば,有期定期金,無期定期金又は終身定期金によって評価方法が異なるものとされています。具体的には,

@有期定期金
次の1〜3のうち、いずれか多い金額
1.定期金給付契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額
2.定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には、定期金給付契約に関する権利を取得した時において一時金の給付を受けるとしたならば給付されるべき一時金の金額
3.定期金給付契約に関する権利を取得した時におけるその契約に基づき定期金の給付を受けるべき残りの期間に応じ、その契約に基づき給付を受けるべき金額の一年当たりの平均額に、その契約に係る予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額

A無期定期金
次の1〜3のうち、いずれか多い金額
1.定期金給付契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額
2.定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には、定期金給付契約に関する権利を取得した時において一時金の給付を受けるとしたならば給付されるべき一時金の金額
3.定期金給付契約に関する権利を取得した時における、その契約に基づき給付を受けるべき金額の一年当たりの平均額を、その契約に係る予定利率で除して得た金額

B終身定期金
次の1〜3のうち、いずれか多い金額
1.定期金給付契約に関する権利を取得した時においてその契約を解約するとしたならば支払われるべき解約返戻金の金額
2.定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には、定期金給付契約に関する権利を取得した時において一時金の給付を受けるとしたならば給付されるべき一時金の金額
3.定期金給付契約に関する権利を取得した時におけるその目的とされた者に係る余命年数に応じ、その契約に基づき給付を受けるべき金額の一年当たりの平均額に、その契約に係る予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額


■お送りいただいた解答
次に掲げる金額のうちいずれか多い金額
・ 解約返戻金の金額
・ 給付一時金の金額
<有期定期金の場合>
・給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額に、残存期間に応じる予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額
<無期定期金の場合>
・給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額を、予定利率で除して得た金額
<終期定期金の場合>
・給付を受けるべき金額の1年当たりの平均額に、終期定期金に係る定期金給付契約とされた者の平均余命に応じる予定利率による複利年金現価率を乗じて得た金額

複利年金現価率=<1−1/(1−r)のN乗>/r
「r」=定期金給付契約に係る予定利率
「n」=給付期間の年数
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ここまで━━━━━━

お二人とも、回答ありがとうございます。
書き方は違いますが、同じことを説明しており、内容も正しいです。

「給付事由が発生している定期金」の具体例としては、受取中の個人年金や、受取中の収入保障保険の保険金などが該当しますね。

1.解約返戻金の金額
2.一時金で受け取れるときの、その一時金の額
3.今後受け取れる総額を、金利で割り引いた金額
 (イメージとして、年金現価係数を使った計算結果の金額)

のうち、最も多い金額が相続税評価額となります。

上記3の金額については、受け取り終えるまでの期間の違いによって、さらに
・有期定期金の場合(個人年金の有期年金のイメージ)
・無期定期金の場合(現実には存在しないだろうと、個人的には思っています)
・終身定期金の場合(個人年金の終身年金のイメージ)
のそれぞれで、計算式の一部が異なっています。

国税庁のページもご紹介しますので、参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/100702/02.htm

この「給付事由が発生している定期金」は、2級試験でも出題されていますので、1級受験の皆様は必須の知識として理解しておいて下さいね。

 
残りもう1問の解説がありますが、ちょっと長くなってしまっていますので、続きは次回にお伝えします。
次回の解説を、楽しみにしてくださいね!
 

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posted by FP勉強会スタッフ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続・事業承継・贈与